今回は、春に旬をむかえる「シジミ」のお話です。朝食の定番「シジミ汁」は、馴染み深い料理ですね。
「シジミ」は、海水濃度が高い場所では生息できない小型の二枚貝です。
国内で食用とされているのは、北海道から九州にかけて生息する「ヤマトシジミ」です。しかし近年は国内の漁獲量が減少しており、ロシアや台湾からの輸入物に頼っている状況です。
シジミは昔から日本で食べられてきました。古くは縄文時代の貝塚遺跡からも発見されています。
昔は慢性的に栄養が不足していたため、シジミは貴重なタンパク源となっていたようです。摂取カロリーの20%をシジミが占めていたともいわれています。
タンパク質を構成するアミノ酸は無数にあります。一つだけが秀でていても体内で有効に活用されないため、バランスが大事です。
それを数値化したのが「アミノ酸スコア」。この数字が100に近いほど、アミノ酸バランスが良いとされています。牛乳や卵、肉類などがアミノ酸スコア100の食材です。これらと同じく、シジミのアミノ酸スコアも100点満点です。
さて、シジミは二日酔いに良いイメージを持っていませんか?
昔の中国医学書に、シジミの解毒作用や、体の余分な水分を取り除く効能が記載されています。日本でも江戸時代には、肝機能を高め、二日酔いに良いとされ、朝食によく食べられていました。
シジミの効能は、アミノ酸の「オルニチン」ということが近年の研究で分かりました。オルニチンは腸で吸収され、血液によって肝臓をはじめ全身に運ばれます。
アルコールを大量に摂取すると全身で有害なアンモニアが増えますが、オルニチンによって無毒な尿素に変換されます。それが二日酔いに良いとされる理由です。
多くの食品に含まれるオルニチンは微量ですが、シジミには100g(約35個分)あたり、最大で15g含まれています。オルニチンのほかにも、タンパク質、タウリン、ビタミンB12も含まれています。
二日酔いには「ウコン」が効くと思われがちですが、じつはウコンそのものに肝臓の働きを良くする効果はあまりありません。消化酵素や消化吸収をしやすくする働きが期待できるだけです。
シジミのオルニチンは、科学的にも二日酔いや悪酔いに効果があると証明されています。お酒を多く飲む方や肝機能が悪い方におすすめです。
シジミには、貝類に多く含まれる旨味成分の「コハク酸」が含まれています。そのほか、グルタミン酸やグリシンといった旨味成分が含まれていますので、料理を美味しくすることができます。
さらに旨味を引き出したい方は冷凍してみてください。なんと旨味が8倍以上になりますよ。料亭などは、冷凍して料理することも多いようです。冷凍シジミは3週間程度は美味しく食べられます。
手軽にシジミの栄養を摂りたい方は、シジミエキスのサプリなどがおすすめです。効率的にシジミの栄養を補給できますよ。

