熱中症

漢方学で考える「熱中症」

漢方学で考える「熱中症」漢方学で考える「熱中症」

最近は猛暑が続き「熱中症」の方が多くなっています。

漢方では、「熱」による症状は「冷え」による症状よりも影響が大きいと考えられています。たしかに熱中症は、元気だった人が急に体調を崩して亡くなることもあります。

強い暑さが続き、体内の水が不足しすぎると体調が悪くなります。水分不足はカラダ全体の細胞の働きが低下するためです。漢方ではこれを「いんきょ」といいます。

いんきょ」になると水分を保持する力が弱くなってしまい、せっかく水分を摂ってもなかなか吸収できません。高齢者の場合は、もともと水を保持する力が弱いので特に注意が必要です。

このような状況のとき、水分調整をする多くの漢方が存在します。代表的な漢方が「れいさん」です。れいさんは「熱中症」予防にもなりますので、猛暑での体調が不安な方は服用してみてください。

そのほか、食べ物では甘酸っぱいものが「いんきょ」を養う働きがあるといわれています。ぶどう・梨・レモン・トマトなどがおすすめです。

いんきょ」の快復時間は夜です。しかし「いんきょ」の方は睡眠障害(不眠症や眠りが浅いなど)を起こしやすく、さらに悪循環になることがあります。

たとえ眠れなくともカラダを横にすれば休まります。それでも不眠が続くようでしたら睡眠障害の漢方もありますので、いつでもご相談ください。

冬の熱中症

冬の熱中症冬の熱中症

熱中症は夏のイメージがありますが、冬でも熱中症があります。

入浴中に体調を崩した高齢者のうち、8割以上が熱中症、またはその疑いがあることが調査でわかりました。2016年の厚生労働省の調査では、家庭の浴槽での溺死者数は5138人という報告もあります。

冬は寒いので熱いお風呂に入りがちですが、42℃以上の長風呂は注意が必要です。42℃のお風呂は、約25分程度で40℃の体温になります。体温が42.5℃を超えると突然死になりやすいことを考えると怖い話です。

「湯温は41℃以下で入浴時間は10分」が正しい入浴の方法です。これから熱いお風呂に入る時期です。長風呂によるめまいや、頭痛など意識障害が現れたら、それは熱中症かも…

安全な入浴を心がけてください。

3歳の子が気温38度の歩道を散歩すると30分で熱中症に!

3歳の子が気温38度の歩道を散歩すると30分で熱中症に!3歳の子が気温38度の歩道を散歩すると30分で熱中症に!

路面からの照り返しで地表近くになるほど温度が上がるため、身長の低い幼児と大人ではリスクの大きさに違いがあります。

熱中症の目安は1℃の体温上昇で体重の2%の汗で初期の脱水症状となります。

名古屋工学大学・東北大学の研究チームがシミュレーションを行い、熱中症のリスクをまとめました。気温38度の歩道では体温が上昇する時間が、3歳児は30分、大人は50分という結果になりました。3歳児は約45分で初期の脱水症状になりますので気をつけましょう。

毎日、熱中症の記事を見かけるようになっています。漢方の予防対策では、血熱をとる「黄連解毒湯おうれんげどくとう」があります。服用すると、血熱は1℃下がる漢方です。水分調整できる「五苓散ごれいさん」を加えるとさらに効果的です。

熱中症になる前に予防対策として、是非、服用してみてください。