五苓散

漢方学で考える「熱中症」

漢方学で考える「熱中症」漢方学で考える「熱中症」

最近は猛暑が続き「熱中症」の方が多くなっています。

漢方では、「熱」による症状は「冷え」による症状よりも影響が大きいと考えられています。たしかに熱中症は、元気だった人が急に体調を崩して亡くなることもあります。

強い暑さが続き、体内の水が不足しすぎると体調が悪くなります。水分不足はカラダ全体の細胞の働きが低下するためです。漢方ではこれを「いんきょ」といいます。

いんきょ」になると水分を保持する力が弱くなってしまい、せっかく水分を摂ってもなかなか吸収できません。高齢者の場合は、もともと水を保持する力が弱いので特に注意が必要です。

このような状況のとき、水分調整をする多くの漢方が存在します。代表的な漢方が「れいさん」です。れいさんは「熱中症」予防にもなりますので、猛暑での体調が不安な方は服用してみてください。

そのほか、食べ物では甘酸っぱいものが「いんきょ」を養う働きがあるといわれています。ぶどう・梨・レモン・トマトなどがおすすめです。

いんきょ」の快復時間は夜です。しかし「いんきょ」の方は睡眠障害(不眠症や眠りが浅いなど)を起こしやすく、さらに悪循環になることがあります。

たとえ眠れなくともカラダを横にすれば休まります。それでも不眠が続くようでしたら睡眠障害の漢方もありますので、いつでもご相談ください。

水毒の原因となる「湿」対策を

水毒の原因となる「湿」対策を水毒の原因となる「湿」対策を

この時期多い「湿気」は、わたしたちの体調に影響をおよぼし、体調不良の原因にもなっています。

漢方学では、人体に影響する湿気を「がい湿しつ」「ない湿しつ」の2つに分けています。「がい湿しつ」とは大気中の湿気のことで、「ない湿しつ」とは体内の水分のことです。

がい湿しつ」と「ない湿しつ」は無関係ではありません。

まず、健康な状態(ない湿しつが過剰でない)であれば「がい湿しつ」の影響はあまり受けません。

しかし「ない湿しつ」が多い人はがい湿しつに影響されやすく、すいどく体質(体内に水が停滞している状態)となり体調不良を起こします。

部屋の湿度でも体調不良は起こりますので、湿度計などを置くのもすいどく予防になります。

これからの季節、水分の摂りすぎで胃腸の働きが低下し、うまく機能しないことに気をつけなければいけません。

運動量や年齢などで違いますが、1日の水分補給の理想目安は2Lです。食事1日で1Lは摂れていますので、残りの1Lをこまめに摂るようにしましょう。

また、冷たい飲み物もすいどくの原因です。胃が急激に冷える飲み物は控えましょう。

これらを控えても体調不調が改善しなければ、すいどく体質改善剤の「れいさん」がオススメです。

れいさんは、雨や台風など低気圧が来る前の不調にとても有効です。頭痛・めまいなどの気象病(天気病)にも効果がありますよ。

3歳の子が気温38度の歩道を散歩すると30分で熱中症に!

3歳の子が気温38度の歩道を散歩すると30分で熱中症に!3歳の子が気温38度の歩道を散歩すると30分で熱中症に!

路面からの照り返しで地表近くになるほど温度が上がるため、身長の低い幼児と大人ではリスクの大きさに違いがあります。

熱中症の目安は1℃の体温上昇で体重の2%の汗で初期の脱水症状となります。

名古屋工学大学・東北大学の研究チームがシミュレーションを行い、熱中症のリスクをまとめました。気温38度の歩道では体温が上昇する時間が、3歳児は30分、大人は50分という結果になりました。3歳児は約45分で初期の脱水症状になりますので気をつけましょう。

毎日、熱中症の記事を見かけるようになっています。漢方の予防対策では、血熱をとる「黄連解毒湯おうれんげどくとう」があります。服用すると、血熱は1℃下がる漢方です。水分調整できる「五苓散ごれいさん」を加えるとさらに効果的です。

熱中症になる前に予防対策として、是非、服用してみてください。