5人に1人が睡眠に関する何らかの悩みを抱えている
25年漢方に携わり気がついたことは、かなりの方が「不眠症」になっているということです。睡眠に関する調査では、男女ともに20%以上の人が「睡眠で十分休養がとれていないと感じている」といいます。
病院で処方される睡眠薬は、即効性があり効果は確実ですが、長期服用はさまざまな問題を抱える可能性が高まります。
このような背景から、睡眠薬離脱を目的に漢方のみでのコントロールを希望する方は徐々に増えてきています。
不眠におすすめの漢方
酸棗仁湯
芸能人が愛用していることで有名な酸棗仁湯(さんそうにんとう)という漢方薬があります。体力が衰えている・心身が疲労している・眠れないといった方におすすめです。
身体が弱い方向けの漢方なので、どなたでも服用できます。
体力が衰えている、心身ともに疲労している、高齢者で顔色があまりよくないというような人のうち、寝つきが悪くて悩んでいるというタイプの不眠症の方に第一選択されるのが酸棗仁湯です。
寝汗をかいたり口がぱさぱさして乾燥するような人にも向いています。
酸棗仁湯は「睡眠の聖薬」とよばれているほどで、きわめて安全に使用でき、効きすぎる心配や習慣性もありません。薬が効くと、朝起きたときにさわやかな熟睡感とともに目覚めることができます。
桂枝加竜骨牡蠣湯
桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)は、神経過敏な方で寝つきが悪く、眠りが浅い方におすすめです。
紫胡加竜骨牡蠣湯
紫胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は、イライラして寝つきが悪い方におすすめです。
抑肝散
抑肝散(よくかんさん)は、神経過敏がたかぶり、怒りやすいイライラなどにおすすめです。
不眠症に効果のあるツボ、紹介します
耳の後ろにある、下に向かって尖っている骨から下におよそ指の幅1本分のところに「安眠」とよばれるツボがあります。

頭の後ろから反対側の手をまわし、中指でやさしく押さえましょう。首を手のひらで包むように圧力を加え、左右のツボを交互に刺激してください。
不眠の人ほど硬く凝っていることが多いといわれています。1分間くらいツボ押しすると、寝つきがよくなり、リラックスできますよ!
十分睡眠時間をとっているにもかかわらず、不眠や寝不足を感じている人にも「安眠」のツボはおすすめです。
血流を改善する婦人薬 「丹心方」
エソラ漢方薬本舗のカウンセリングでは、症状を伺いながら提案する婦人薬を選んでいきます。その中でも特に効果のある漢方が「丹心方(たんしんほう)」です。
丹心方に使われている生薬「丹参(たんじん)」は、ほとんどの相談漢方で処方されています。ということは、丹参の質・抽出は非常に大事であり、安心できるものでなければなりません。
丹参という生薬
エソラ漢方薬本舗で特に注目したのは、婦人科系疾患です。店頭の効果も絶大で、1週間でほとんどの方が効果を得ています。いまや、多くの女性から、嬉しいお声をいただいています。

丹参の名の由来
丹参は赤参(せきじん)とも呼ばれ、ともに根が赤いことに由来して名付けられたとされています。
丹参たんじんの「丹(たん)」には「赤」という意味のほかに、「不老不死の薬」という意味があります。
漢方文献による丹参の効能
- 瘀血(おけつ・古い血液)を除く。
- 腫物を消す。炎症を抑える。
- イライラや不安感を抑える。鎮静作用。
- 女性の月経にかかわる諸症状を改善。(月経が中断している時に用いる場合もある)
「瘀血」とは?
「瘀血」とは、体内の血の巡りが悪くなった状態のことをいいます。
特に女性は、婦人病(血の道)の影響で、血液が汚れたり、ドロドロになりやすいといわれています。
瘀血状態を放置していると、身体の隅々に栄養が行き渡らず、さまざまな病気につながります。
身体のバランスが崩れ思考力が低下し、肌にシミやアザができることがあります。また、筋肉がこわばり、肩こりや腰痛など、身体のあちこちに痛みが表れることもあります。血管が詰まり、狭心症や脳梗塞の原因にもなります。
西洋医学には「瘀血」という考えはありませんので、病院ではこれに対する薬はありません。もちろん血液検査でも分からないでしょう。
瘀血は、全身のあらゆる病気に関連していると考えられています。瘀血に対してもっとも効果的なものが、まさしく「丹参」なのです。
瘀血の症状
- 目の下にクマがある
- 肩や背中がこりやすい
- 静脈瘤がある
- アザができやすい
- 舌の裏に静脈が黒く浮き出ている
- しみやそばかすが多い
- 生理痛がひどい
- 顔色がくすんでいる
このような症状がある方は、特に気をつけましょう。「瘀血」の改善は日本の伝統医学でもあります。
ぜひ日本の伝統医学を専門店でお試しください。
自覚症状がない「隠れ脳梗塞」
脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血液が行き渡らなくなり脳細胞が壊死してしまう病気です。昨日まで元気だった人が突然倒れてしまい、かろうじて命は助かっても後遺症が残る場合もあります。
脳血管で梗塞が起きていながら自覚症状が出ていない状態を「隠れ脳梗塞」といいます。「隠れ脳梗塞」になる割合は、50代が約半数、60代が8割以上といわれています。
隠れ脳梗塞は、脳の老化でもあります。放置していたら、脳機能が失われていき、認知症にもつながります。
こんな症状、ありませんか?
- 視界が突然半分欠ける。
- 頭が重い感じや頭痛がする。
- 手足がしびれる・力が抜ける。
- 呂律が回らない・言葉が出ない。
上記の症状が見られる方は、「一過性脳血虚発作」の可能性があります。すぐに回復するため軽視されがちですが、統計ではこのような症状が現れるとその3週間以内に約2割の人が重症の脳梗塞になるといわれています。
あとがき
エソラ漢方薬本舗の河野です。まだまだ暑い日が続いていますが、夏バテしていませんか?
食事のときの多量な水分摂取は、胃酸を薄めて消化不良を起こしやすくなります。胃腸の負担は、夏バテ・不眠の最大の原因になります。十分、気をつけてくださいね。
今回は、今の時期に多い、「不眠症」について特集しています。ぜひ参考にしてみてください。
