カレーってすごい!
カレーを構成するスパイスは、日本では薬として使われてきた歴史があります。
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スパイス(生薬名) | 効果的な症状や不調 |
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ペッパー(胡椒) | 肥満など |
シナモン(肉桂) | 不眠、ストレス、下痢など |
ナツメグ(肉豆蔲) | 低血圧、不眠、ストレスなど |
クローブ(丁字) | 下痢、腹痛など |
クミン(馬芹) | 下痢、腹痛など |
ターメリック(鬱金) | 二日酔い、月経異常など |
ジンジャー(生姜) | 頭痛、乗り物酔いなど |
ガーリック(大蒜) | 疲労回復、むくみ、肥満など |
マスタード(芥子) | 便秘、神経痛・リウマチなど |
スターアニス(八角) | かぜ、咳止めなど |
コリアンダー(胡ずい子) | 下痢、関節痛など |
カレーの歴史
カレーは「生薬」が入った健康食
カレーのルーツは「インド」です。
インドにはもともと胡椒・生姜はありましたが「唐辛子」はなく、辛味のない「スパイスを混ぜ合わせた汁」だったようです。16世紀になると大航海時代の到来で食材やスパイスが入るようになり、現在のようなインドカレーが完成しました。
カレー粉はスパイスの混ぜ合わせです。代表的なスパイスは「ターメリック(別名:ウコン)・クミン・コショウ・コリアンダー・カルダモン」など、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」でも使用されるものです。
胃腸の働きをよくしたり、身体を温める効果や新陳代謝を促進するものが多くあります。辛いものには食欲増進効果があり満足感を得やすいので、減量効果も期待できます。
インドの家庭では、家族の体調やその日の天候で配合するスパイスを変え、さまざまなカレーが家庭で作られるようです。
カレーが世界で人気があるのは、手軽に作れる料理というだけではなく、健康食として認められているからなのかもしれません。
知られざるカレーの効果!?
食欲低下・肝機能低下の防止
カレーには、薬として扱われてきたスパイスが大量に入っています。「食欲低下」「肝機能低下」を防いだり、自律神経の働きを高めたりする健康効果が期待できます。
抗酸化作用・胃腸の働きを整える
カレースパイスの代表的な「ターメリック」は「ウコン」ともよばれています。抗酸化作用や胃腸の働きを整える効果のほか、肝臓などの働きもよくしていきます。
体力低下解消
身体がだるい・食欲がないときは、自律神経の乱れが原因と考えられています。特に朝、起きられないのは自律神経の働きが悪くなり、副交感神経や交感神経がうまく調整できないためです。
カレーには自律神経の調整をする効果があるので、「朝カレー」など朝食にカレーを食べる習慣がある方もいるようです。もちろん新陳代謝も向上するので血行もよくなり元気になります。
ほかに期待できる効果
- 食欲の調整(抑制と亢進)
- 消化促進作用
- 新陳代謝促進効果
- 抗菌活性作用
- 自律神経調整作用
- 中枢神経刺激作用
- ホルモン分泌刺激作用
- 循環促進作用
- 塩分を控えられる
- 寒暑に対する適応力向上
カレーと健康についての研究
カレーを食べる頻度が高いほど良好な結果に
カレーには健康増進に効果があるとされるさまざまなスパイスが用いられています。実際にスパイス由来の抗酸化物質や抗炎症物質が多く含まれていることから、健康によい食品であると考えることができます。
カレーと認知機能の研究結果
日本人の中高齢者を対象に調査したところ、長期のカレー摂取頻度が高いほど認知機能が良好であるという結果になりました。
一方、短期的なカレーの摂取頻度では、そのような結果にならなかったようです。
日本人がカレーを頻繁に食べる習慣が、認知機能維持によい影響を与えている可能性が考えられました。
今後ともカレーと認知機能の影響について、研究が進んでいくことでしょう。
カレーとタバコ・PM2.5の研究結果
カレーのスパイス(カレー粉・クローブ・ウコンの抽出物)による抗酸化・抗炎症作用が呼吸機能を維持している可能性がありました。特にタバコの煙による呼吸機能の障害を防いでいると考察しています。
実験では、カレー用のスパイスにはPM2.5による炎症反応を抑制する効果があるかを確認しました。
結果、カレー粉や各スパイスの抽出物には、PM2.5による炎症反応を抑制する可能性があることが分かりました。