朝食って大事
朝食を抜くと脳のエネルギーが枯渇し、「日中イライラする」「集中できない」など、記憶力の低下にもつながります。うつ病の視点でみても、朝食を抜くことはうつ病を発症するリスクを高めることが国内で行われた調査で明らかになっています。
朝食におすすめ
おにぎり
なだらかに血糖値を上げて長期間持続します。脳にとって安定したブドウ糖の供給源になります。
卵焼き
卵にはレシチンという脂質が豊富に含まれています。心の健康のために、卵は積極的に食べたい食品です。
鮭(焼き鮭)
不安障害を軽減する効果が分かっているビタミンDを含んでいます。
豚汁
味噌にはイライラを鎮める、いやし効果、興奮抑制、精神安定などの働きがあります。
ヨーグルト
朝食に乳製品を食べ続けた人で、睡眠の質の向上、抑うつ、また不安感の改善などがみられることが、研究で明らかになっています。
うつ病にならない栄養学
「セロトニン」を作る
セロトニンとは、精神を安定させる働きがある脳内の神経伝達物質です。セロトニンの原料となる「トリプトファン」「ビタミンB6」を多く含む食べ物と接種することでセロトニンが体内で作られ、うつ病の予防になります。
トリプトファンを含む食品
- 赤身肉
- 赤身魚
- 納豆
- 味噌
- 豆腐
- 牛乳
- チーズ
- 卵
- ナッツ類
- ヨーグルト
- バナナ
ビタミンB6を含む食品
- マグロ
- 鮭
- サバ
- サンマ
- 赤身肉
- レバー
- 鶏むね肉
- ささみ
- 焼き海苔
- ニンニク
- ナッツ類
DHAとEPAに期待
DHAやEPAの臨床試験?
魚を食べる地域でうつ病にかかる人が少ないことから、DHAやEPAの臨床試験が行われています。研究をまとめた論文では、うつ症状には多少の効果は認められましたが、予防効果は認められない結果になっています。現在は高濃度になっているので、今後の研究で効果が期待できるかもしれません。
「うつ」の人は葉酸不足の事実
精神的なうつ症状は、食事で改善できる可能性
国立精神・神経医療研究センター神経研究所の研究では、うつ病の4人に1人が血液中の葉酸値が低い結果が出ました。
「葉酸」は細胞分裂や神経伝達物質の合成に関わる重要なビタミンです。ほうれん草や小松菜などの葉物野菜、納豆などに多く含まれています。
食事と腸と「うつ」の関係
うつ病が増えた要因として、普段の食生活の影響が考えられます。
- 過食による過剰摂取
- 栄養のかたより
- 食物繊維不足
- ビタミン不足
うつ病の人は腸内の乳酸菌が少ない傾向があることが分かっています。腸内環境をよくすることが、うつ病対策の近道かもしれません。
緑茶がもつ予防効果
緑茶を週に4杯以上飲む人は、3杯以下の人よりうつ病の人が少ない報告があります。
緑茶に含まれるカテキンやテアニンは、どちらも中枢神経に効果があるといわれています。抗ストレス作用やリラックス作用、神経保護作用や認知機能改善効果も報告されています。
特に「テアニン」には抗うつ作用があり、脳神経の栄養増加が認められました。
うつ病ワースト食品
「カフェイン」「加工食品」と、「うつ」には密接な関係があるといわれています。
欧米の食生活のような、飽和脂肪や炭水化物の多い食事は、うつ病の発生率が70%増加する可能性が指摘されています。
また、カフェインは興奮剤のため、摂りすぎると過剰な心配、急速な心拍数の高まり、発汗、落ち着きを失うなどの症状を引き起こす可能性があります。