病院と専門店で違う、漢方薬の質
漢方専門店でしか買えなかった漢方薬も、今では病院・ドラッグストア・通信販売などさまざまな場所で個人が自由に入手できるようになりました。
その漢方薬は、はたして効果がある漢方薬なのか、本当に自分に合うのか。漢方薬の本質を知ることで、どこで入手するのか、いかに大事なのかが分かります。
病院で出される漢方薬
薬価の制限が医師・薬剤師の頭を悩ませています。
病院のデメリット
厚生労働省の定める薬価を守って販売しなければならないので、漢方薬の原料(生薬)の品質を下げざるをえないことがあります。
生薬の高騰に直面しているため、漢方薬の治療効果に影響してしまうのは当然の結果でしょう。
病院のメリット
漢方処方全体の一部しか保険適用が認められていないため、処方される漢方薬の種類は制限がありますが、それ以外では、漢方薬を保険適用で安価で買うことができます。
漢方専門店で出される漢方薬
安価で「年単位の治療」、高価で「数ヶ月の治療」のどちらかを判断するのは難しいものです。
漢方専門店のデメリット
保険適用外になるので、費用がかかりやすいことで一般的に敷居が高いという印象があります。
漢方専門店のメリット
同じ名前や処方の漢方薬でも、生薬そのものの質と抽出濃度が異なると「まったく違う漢方薬」です。
量が多いから「よい」というわけではありません。費用の制限なく生薬の質を選定でき、特殊な抽出技術をすることができます。
漢方薬の原料の品質を下げることなく専門性や高価の高い漢方治療ができます。
ドラッグストア&通販の漢方薬
副作用を考慮し、生薬の成分量を少なく製造しているので、漢方薬の専門性を発揮しにくいという側面があります。
ドラッグストア&通販のデメリット
自己判断で誰でも気軽に買えるように、生薬の抽出を控えめに製造しているのが特徴です。
また、すべての漢方薬がそろっていることはなく、扱える漢方薬の種類も制限されています。
ドラッグストア&通販のメリット
症状が軽く、「漢方薬をお試しに使いたい」という方にはいいかと思います。また価格もお手頃で誰でも自由に試すことができます。
ダイエット漢方が気になる方へ
ダイエット漢方のご相談が増えています。こんな方でお悩みの方はいらっしゃいませんか?
- 食事が脂肪として蓄積しやすい人
- 肥満症や高血圧の随時症状がある人(動悸・肩こり・のぼせ)
- 消費カロリーよりも摂取カロリーが上回る暑がりの人
- 「実証」タイプの人
実証タイプはこんな方
- 濃いめの味が好き
- 脂っこい食品が好き
- 辛いものが好き
- お酒が好き
- 暑がり(冬でも冷えたものをよく飲む)
- ぽっちゃりした体型
- 風邪をあまりひかない
- 肌ツヤがよい
- 声が大きいなど、エネルギーが溢れてみえる
- 便秘がち
- お腹周りに脂肪がついている
こんな方には「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」がおすすめです!
防風通聖散
お正月太りの原因は、はやり「暴飲暴食と運動不足」のこれにつきます。正月休みが終わって普段の生活に戻っても、一向に痩せずにそのまま貼るを迎える方も相当数いるようです。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、食事による脂質の吸収を抑制してくれます。
脂肪細胞を活性化し、お腹の脂肪を燃焼・分解します。食事で取り込んだ脂質を、便とともに排出する効果も確認されています。
皮下脂肪が多い方、便秘傾向で肥満症の方、高血圧の随時症状がある方(動悸・肩こり・のぼせ)に効果があります。
防風通聖散で「痩せる」といわれる理由
脂肪燃焼
「甘草(かんぞう)」「麻黄(まおう)」などが、脂肪細胞に働きかけ、体脂肪の蓄積を予防・分解・燃焼してくれる効果があります。
利水作用
消化器に停滞した水分を温め、動きやすくします。その働きで、停滞が改善され痩せる効果が期待できます。
便秘改善
防風通聖散に含まれる「大黄(だいおう)」は、脂質と便を一緒に体外に排出してくれるので、便秘改善効果があります。
血行促進
防風通聖散には、身体を温める生薬が含まれるので、血行促進で代謝を高め、痩せやすい体質を作ります。
薬膳Cooking
薬膳スパイスのスープカレーを作りました!
材料
食品・調味料
- 水:600CC
- カットトマト缶:1/2缶
- オリーブオイル:大さじ3
- バター:40g
- カレー粉:大さじ1と1/2
- コンソメ:大さじ1
- 鶏がらスープ顆粒:大さじ1/2
- ハーブソルト:小さじ1
- 手羽元:5本
- 玉ねぎ:1個
スパイス
- にんにく:15g
- しょうが:15g
- 陳皮:小さじ1/2
- カルダモン:小さじ1/2
- クローブ:小さじ1/2
作り方
- オリーブオイルで手羽元をこんがり焼き、一度別の皿に取り出します。
- 玉ねぎをみじん切りにして炒め、水以外のすべての材料(食品・調味料・スパイス)を入れ、炒めます。
- (2)に(1)と水を入れ、20~30分間煮込みます。
- お好みで蒸し野菜やゆで卵を盛り付け、スープカレーをかけて出来上がり。
薬膳スパイス
クローブ
生薬名:丁字(ちょうじ)。
個性的な香りとピリッとした辛み、かすかな苦味が特徴です。食欲不振、肝機能低下、胃弱、下痢、腹痛などに。
クミン
生薬名:馬芹(うまぜり)。
カレーのようなスパイシーな香りと、かすかな苦味が特徴です。消化を助け、胃腸の悩みを改善、腸内ガスの排出、肝機能の向上も期待できます。
みかんの皮
生薬名:陳皮(ちんぴ)。
柑橘類ならではのやさしく爽やかな香りが特徴です。免疫力アップ、風邪予防、整腸作用と利尿作用によるむくみ予防などに。
コリアンダー
生薬名:胡荽子(こずいし)。
レモンのような芳香、かすかな辛みと口当たりのよい甘みが特徴です。肝機能低下、下痢、かぜ、胃弱、関節痛などに。
ナツメグ
生薬名:肉豆蔲(にくずく)。
刺激的な甘い香りと穏やかな苦みが特徴です。下痢、低血圧、不眠、ストレスなどに。
ショウガ(ジンジャー)
生薬名:生姜(しょうきょう)。
清涼感のある甘い芳香と独特の辛みが特徴です。風邪、冷え性、頭痛、胃弱、食欲不振、乗り物酔いなどに。