がんより怖い「血栓症」
日本人の主要死因第1位は、悪性新生物(がん)です。しかし、発症する疾病の症例数でいうと「血栓症」の方が多いといわれ、現在は4人に1人が、血栓症で命を落としています。
第2位の心疾患のうち、約90%が心筋梗塞、第4位の脳血管疾患のうち75%が脳梗塞となっており、どちらも血管が詰まって起こる「血栓症」という病気です。
発症後、命をとりとめたとしても麻痺が起こるなど、重い後遺症を残される方も多くいらっしゃいます。
血栓症ってどんな疾病?
血栓症とは、血管内に血栓(血の塊)が詰まって起きる疾病です。
危険因子により線溶機構(血栓を溶かす働き)が弱くなることで、血栓が蓄積し、ある日突然、血管が詰まり、心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症を引き起こします。
危険因子
- 高血圧
- 高脂血症
- 喫煙
- 食の欧米化
- 加齢 など
健康な人は、線溶機構の働きにより、血管が詰まるようなことは起こりにくいといえます。
治療の現状~薬品治療の限界~
現在、血管を溶かす薬(医薬品)は、注射薬以外にありません。
これは医薬品になるため、医師の監視のもとでしか使用できません。また、高価なため、血栓症の予防目的で日常的に使用することができません。
血小板凝縮を起こさないようにする薬や、血が固まるのを防ぐ薬はありますが、あくまでも、血液を固まりづらくすだけの薬です。出血等の副作用も引き起こします。
酵素に注目
血栓の対策には「酵素」が注目を集めています。
特定の酵素は、血栓の原因であるフィブリンを直接強力に溶かす作用があるのと同時に、プラスミン(フィブリンを分解する作用を持つタンパク質分解酵素)の働きを活性化し、線溶機構をも高める働きが期待され、研究されています。
また、認知症でも期待が高まっています。
脳血管性認知症は、脳の血管に血栓症が起こることによる多発性脳梗塞によって引き起こされます。原因が血栓だと考えれば、その期待は高まっていくことでしょう。
薬膳Cooking
カラダが喜ぶ、ごちそう薬膳ごはん


焙じハトムギ
ハトムギの種子の皮を取り去り焙じたもので、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。
生薬では「ヨクイニン」とよばれており、昔からイボ取りとして有名です。身体の水はけをよくし、むくみにも用いられています。
今回は、炊き込みご飯でいただきました。

松の実
松の種の殻をはぎ、乾燥させたもので、脂質やビタミンE、ビタミンB1、食物繊維が含まれています。
仙人の養生食品として使われ、皮膚に栄養を与えたり、白髪でお悩みの方に使用されていました。
今回は、ほうれん草の胡麻和えでいただきました。

クコの実(枸杞子)
クコの果実を乾燥したもので、食物繊維、ビタミンA、鉄などが含まれています。
視力の低下や肝機能の保護作用などに用いられます。禁煙ではアンチエイジングや冷えの改善でも注目されています。
今回は、豚汁にトッピングしていただきました。