急増中!子宮頸がん
女性の約80%が一生に一度は感染する
子宮頸がんとは、主にヒトパピローマウイルスの感染により、子宮の入口付近にできる「がん」です。
女性なら誰でもかかる可能性がある病気で、30歳後半~40歳代に多く、最近では若年者でも増加傾向にあります。
子宮頸がん発症原因の多くはヒトパピローマウイルス[通称:HPV(主に16型と18型)]だといわれており、主に性行為を通じて感染します。
女性の約80%が一生に一度は感染するといわれています。通常は免疫系によって90%は排除されますが、残り10%前後の人が感染し続けることで「病変(異形成・いけいせい)」が生じます。
感染してから子宮頸がんになるまで
子宮頸部のHPV感染は、約99%以上の方は自己免疫でウイルスが消えるといわれています。
一方、残り1%のうちの、さらに約10%の方は細胞に「がんではない異常」が見つかると、約4%の方は前(ぜん)がん状態になり、ゆっくりと本当のがんに進行します。しかし、16型と18型の感染の場合、がんへの進行が早いことが多いので要注意です。
病院での子宮頸がん検診細胞結果
- 陰性(NILM)
- 軽度病変疑い(ASC-US)
- 軽度病変(LSIL)
- 高度病変疑い(ASC-H)
- 高度病変(HSIL)
- がん(SCC)
子宮頸がんの初期症状と注意点
実は、子宮頸がんの初期症状は、ほとんどありません。そのため、特に症状がなくても、定期的な検診を受けることが大事です。
早期発見ができれば子宮や卵巣を残すこともできますが、進行した状態だと、それらを摘出しなければならなくなり、妊娠・出産の可能性を失ってしまいます。
また、がんになっても末期まで無症状なこともあり、検査を怠ると発見を遅らせてしまう原因にもなります。
漢方では、免疫力の向上や、上皮細胞の新陳代謝を改善し、子宮頸がんのリスクを軽減することができます。
子宮頸がんは原因がはっきりしています。ウイルス感染後に「ウイルスを排除できるはずの自己免疫機能が低い」ということなので、自己免疫力を上げることが重要です。
感染した子宮頸部細胞が分裂する際にできる異変は、「瘀血(おけつ)」を取り除くことで軽減することができます。
「瘀血」とは伝統中国医学において、うっ血や血行障害など、血の流れの滞りや、それによって起きるさまざまな症状や疾病を指す言葉です。この前駆状態(前兆として現れる症状)は、血瘀(けつお)とよばれます。
桂枝茯苓丸
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は瘀血を改善するための漢方で、産婦人科でも用いられる三大漢方薬の一つです。月経異常・更年期障害・頭痛・肩こり・めまいなどにもよく処方されます。
ヨクイニンと子宮頸がん
HPVに感染し続けることで、表皮の細胞に異変が起こり「異形成」ができます。これは、子宮頸部にイボができているのと同じ状態です。
HPVは、小さな傷を通じて粘膜に入り込み、イボを作ります。引っかき傷や、性行為で傷つきやすい性器は狙い所です。
手足のイボで「ヨクイニン」を使うことがありますが、HPVなどの病変に使うこともあります。
医療現場でも「軽度の病変がよくなった」との報告もあります。
ヨクイニンとは、ハトムギの種から硬い皮を取り除いたものです。通常、イボや皮膚の荒れなどに効果のあるヨクイニンですが、ウイルスに感染したイボの治療でも使える漢方薬です。免疫細胞を増やすことにも期待できます。
ヨクイニン
ヨクイニンは、通常はウイルスに感染した「イボ」の治療で使う漢方薬ですが、自分の免疫細胞を増やす効果が期待できます。利水作用の働きがあり、肌の保湿と防御機能の上昇につながります。
免疫と腸内細菌
実は、がん予防の点からも、善玉菌優勢の腸内環境が必要と考えられています。
腸内環境をよくすることは、免疫力を上げるほか、健康的に痩せることにも結びついていきます。
逆に腐敗菌などの悪玉菌が多い場合、免疫力を低下させるほか、肥満や病気の原因になると考えられています。
腸内と免疫とダイエット
腸内環境をよくすることは、免疫力を上げ、「痩せ菌」を増やすことにつながります。
善玉菌や日和見菌が食物繊維を分解・発酵させる過程で、「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)(※)」という酸を出します。短鎖脂肪酸は悪玉菌を抑制する働きがあります。また、短鎖脂肪酸を作りやすい腸内細菌こそ「痩せ菌」とよばれています。
短鎖脂肪酸が腸から吸収されると、脂肪細胞がそれを感知して脂肪を燃やし、小腸から食欲を落とすホルモンが分泌されます。
痩せ菌を増やし、短鎖脂肪酸を出すことが痩せる近道になりそうです。
※ 酢酸や酪酸のこと
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