「冷え症」は手足や全身など皮膚が冷える状態ですが、「冷え腹」は手足は温かいのにお腹だけが冷える状態(内蔵型冷え性)で、通常の冷え性とは違います。
漢方では「冷え腹」のことを「疝痛」「さしこみ」「癪」などと表現し、いくつもの漢方処方があります。
胃腸は食べ物を消化・吸収するだけではなく、「気(生命エネルギー)」を作る大事な働きがあります。
「冷え腹」の症状は、腹痛や下痢などの症状が特徴です。腹痛や下痢などが慢性化すると「慢性の冷え腹」になり、「気」の不足でさまざまな病気に移行することもあります。
風邪やインフルエンザの感染率が高くなるほか、免疫の病気(がんなど)の原因のひとつにもなる可能性も指摘されています。うつ病にも「冷え腹」の症状がある方が多くみられます。女性の場合は、お腹の冷えは婦人科系の病気や月経不順、不妊症などを引き起こしやすくなります。
水分を多く取るとお腹の冷えの原因になり、体内に水分が滞る「水毒」になります。冬は体温を守るために毛穴が閉じて汗をかきにくくなり、体内に水分が多く残ります。飲食店では冬でも氷入りの水がでてくることが多く、胃腸が冷えて消化不良も引き起こすことがあります。なるべく常温の水や白湯などを飲むようにしてください。
食材の工夫も必要です。カラダを温める食材は生姜などが代表的ですが、根菜類やイモ類にも温める効果がありますので温かい料理で食べてください。カレースパイスのクミン・コリアンダー・ターメリックなどお腹を温めるスパイスなのでおすすめです。夏野菜のトマト・きゅうり・なす・ゴーヤ・レタス・トマト、果物類(バナナ・パイナップル・マンゴー・オレンジ)などはお腹を冷やすので注意してください。
漢方にも冷え腹症改善の小建中湯・大建中湯など、生姜・山椒・桂皮・人参などが含まれてる漢方があります。気になる方はお気軽にご相談ください。