二十四節気・雑節

「節分」に無病息災を願う

「節分」に無病息災を願う「節分」に無病息災を願う

2月3日は節分です。日本の風習では、炒った大豆を撒いてその年の厄災・疫病を祓います。

鬼を追い払う行事は中国から日本に伝わり、706年ごろには歴史書に記録されています。当時は大晦日の夜に行われていたようです。

節分は、平安時代に災害を払い長寿を願うことを目的に豆まきが始まり、鬼を払う行事と混ざっていったといわれています。江戸時代には今の節分のスタイルになっているようです。

そもそも、なぜ節分に豆を撒くのか、これは大豆の効能にヒントが隠されています。

大豆は今から2000年前に中国から伝わり、多くの栄養が含まれる食材として重用されていました。

現在は、大豆そのもののほか、豆腐や納豆などの大豆加工品がよく食べられていますね。

大豆の効能は、胃で停滞した食べ物を消化し、脾臓ひぞうの働きを高め、水分調整や解毒作用、炎症を抑え「気」を補う働きがあげられます。

健康産業でも大豆に含有されている大豆イソフラボンが注目されています。大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きがあるため、更年期障害や骨粗鬆症の予防などにも使われています。

こういった大豆の働きから、昔から食卓には欠かせない食べ物になっていたのかもしれません。

節分で撒いた豆を年齢と同じだけ食べると疫病にならないといわれています。この時期は季節の変動で胃腸や脾臓ひぞうが弱るため、大豆を食べて元気をつけるような考えがあったのでしょう。

皆さまも、豆を撒き、豆を食べ、元気に過ごしていきましょう!

秋が深まる「霜降」

秋が深まる「霜降」秋が深まる「霜降」

2022年10月23日は「そうこう」です。朝晩が冷え込み、寒い地域では霜が降りはじめる季節ですね。

秋が深まるこの時期、空気が乾燥しはじめ「肺」に負担がかかりやすく、呼吸器系の病気が増えてくるので注意が必要です。秋は自律神経にも負担がかかりやすいので、悲しみ・落ち込み・イライラなど感情がゆるぎやすく不眠症につながることもあります。

この時期は冬のカラダ作りのため、多くのエネルギーを消費するといわれています。食事は栄養をしっかりと考えたメニューを、睡眠はいつもより多くとるようにしましょう。

さて、ぎょうせつでは「肺」は皮膚とつながりをもっています。皮膚を強化することで「肺」を元気にすることもできるのです。

古くからの健康法の「かんさつ」が秋から冬に行われていたのは意味がありました。かんさつを行わなくても、服の上からカラダを擦るだけでも大丈夫ですよ。

ハロウィンもすっかり日本に定着しましたね。この時期に食べる「かぼちゃ」は最高の食材のひとつ。エネルギー不足を補い、カラダを温めてくれます。

かぼちゃの種にも豊富な栄養が含まれています。フライパンで軽く炒ったあとに皮をむいて食べてください。ビタミンEやルテインなどを多く含ます。むくみ・老化防止・目の疲れを改善するといわれている成分です。

漢方では、秋によく出る「ちゅうえっとう」が「肺」や「胃」などを元気にしてくれる処方です。この時期に体調不良がある方は、お気軽にお問い合わせください。

「土用」は健康の準備期間

「土用」は健康の準備期間「土用」は健康の準備期間

2022年7月23日は「よううしの日」ですね。この日は、うなぎを食べて活力をつける方もたくさんいらっしゃると思います。

そもそも「よう」とは何なのでしょうか?

よう」とは暦のひとつで、春夏秋冬の季節の合間になります。具体的には、りっしゅんりっりっしゅうりっとうの直前18日間です。

よう」は、季節の準備期間ともいえます。そういった時期は、体調を整えることがとても大事です。

東洋医学でも、「よう」は次の季節に向けて体調を整える大事な期間だと考えられています。

五行説の「」と「胃腸」は関りがあるとされています。人間にとっての胃腸は、自然界での土壌です。栄養源を作り出し分け与えてくれる大事な役割をもち、カラダ全体を元気にすると考えられています。

梅雨シーズンの体調不良や暑さによる食事の偏りは、夏バテにつながります。ようは夏に向けての体力を充実させるための時期です。うしの日には元気な栄養を摂ることで夏バテ予防になります。

夏本番はこれからです。うなぎを食べてスタミナをつけ、夏を元気に過ごしていきましょう!

「小満」に負けない!

「小満」に負けない!「小満」に負けない!

2022年5月21日は、じゅうせっの「しょうまん」です。しょうまんとは、「あらゆる生物が大地に満ちる」という意味です。

気温が上昇するこの時期、わたしたちはイライラして情緒不安定になり、体調不良を引き起こしがちです。

さらに、湿気が多くなることで、皮膚病も悪化しやすくなります。

胃に水が溜まりやすくなる「ないていすい」という状態になると、胃は次第に「熱」を持ち始め、うまく外に排出できないまま皮膚に蓄積していき、皮膚炎を起こしやすくなります。

皮膚病がある方は胃を休めるために、暴飲暴食を控えましょう。

この時期にオススメの食材は「キュウリ」です。

キュウリは、薬膳学的に「利尿作用」を持ちます。利尿作用により胃の余分な水分を取り、ほてりをしずめることが期待できます。

漢方では「こうさん」がオススメです。

こうさんは、よう(シソの葉を乾燥させたもの)などが配合された、「気のめぐり」を改善する代表的な漢方薬です。

気になる方は、エソラ漢方薬本舗までお気軽にご相談ください。

香り高い食べ物で「穀雨」を乗り切る

香り高い食べ物で「穀雨」を乗り切る香り高い食べ物で「穀雨」を乗り切る

2022年4月20日は、じゅうせっの「穀雨こくう」にあたります。

春が終わり、気温が急上昇し雨が多くなることが「穀雨こくう」の由来だといわれています。

雨が多いことで穀物にとっては恵みの季節となりますが、人間は体調を崩しやすくなります。

湿度が高くなると胃も湿気が多くなり、食欲不振になりやすくなります。すると、それにともないエネルギー(気)不足になり、急に痩せる方も増えてきます。

漢方の考えであるぎょうせつでは、「胃が弱る兆候は『よだれ』が就寝中に出る」とされています。朝起きたときによだれの形跡がある方は要注意です。

こんなときは、胃の漢方で調子をよくしましょう。元気エネルギーを巡らすことができます。

香りのよい「シソ」「セロリ」「三つ葉」などの食材を使うと、「気」の巡りがよくなり、落ち込みやすい日々も過ごしやすくなります。

エネルギーが不足傾向のときは、「山芋」「大豆」がおすすめです。

漢方薬の「こうさん」にも、香りのよい「こう」「よう(シソの葉)」「ちん(みかんの皮)」「しょうきょう」「かんぞう」が配合されています。

梅雨がきて、やがて厳しい夏がやってきます。毎日の体調管理に気をつけて過ごしていきましょう。

「立春」に大福を食べて幸福に

「立春」に大福を食べて幸福に「立春」に大福を食べて幸福に

2月4日は、暦の上では春を迎える「りっしゅん」ですね。

「立春に『大福』を食べると、その年が幸福になる」といわれています。

昔の大福は、塩味で腹持ちがいいことから「はらぶともち」と呼ばれていました。

かつては塩味だった大福ですが、江戸の時代、甘いあんこを餅で包んで売ったところ大人気となり、全国的に広がることになります。

あんこの「小豆」は「魔除け」として、「お餅」は神聖な食べ物として親しみがあることから、これを縁起として立春に食し、一年の幸福を願うようになったといわれています。

さて、大福には太るイメージがありませんか?

じつは、小豆は食物繊維や栄養バランスが豊富な穀物です。便秘や貧血が解消され、美容やダイエットにも効果があるといわれています。

砂糖やカロリーなどが気になる方は、自分で砂糖控えめの大福を作ってみては?

意外と簡単にできますよ。エソラ漢方薬本舗でも手作り大福をスタッフ全員でいただきました。

手作り大福は、もっとたくさんの幸福がくるかもしれませんね。

「大寒」に卵を食べて栄養を蓄えよう!

「大寒」に卵を食べて栄養を蓄えよう!「大寒」に卵を食べて栄養を蓄えよう!

2022年1月20日は「だいかん」です。1年を24に分けた「じゅうせっ」の最後にあたるのが「だいかん」になります。

昔の人は、大寒の時期に「卵」を食べていたそうです。エソラ漢方薬本舗でも縁起にあやかり、河野特製オムライスをいただきました。

鶏は、春には多くの卵を産むのですが、冬の間はあまり産みません。春のために冬籠りをし、力を蓄えているのでしょう。

鶏は寒さが苦手で、冬の間は水分を取らずに飼料を好んで多く食べます。そのため、冬の卵には多くの栄養があるといわれています。

昔の人が春にむけてに栄養を蓄えるために卵を食べたことから、「だいかんの卵」は縁起物になったのだと思います。

草木花や動物も、寒さの時期は新しく生まれ変わるための力を蓄えながら春を迎えます。この時期は、わたしたちも春を迎えるための力を蓄える必要があります。

漢方には、カラダを温め血行をよくし、栄養を高める生薬が多くあります。冷え症や寒さが苦手な方は、こんなときこそ漢方を服用してみてください。

カラダの血の巡りがいいと、寒さによるつらさや気分の落ち込みなども和らぎます。寒さに負けず、体調を整え、春を迎えるための力を蓄えていきましょう。